第7回: 「ピンク」を取り入れたカラーアドバイス

  第7回: 「ピンク」を取り入れたカラーアドバイス
  • 風水
  • インナーデザイン
  • ストレスケア
  • 心と部屋の整理
  • インドアライフ
  • 愛のある部屋
カヴァースコラム TOP > インテリア風水 > カラーアングルセラピー日記 > 第7回: 「ピンク」を取り入れたカラーアドバイス
カラーアングルセラピー日記

第7回: 「ピンク」を取り入れたカラーアドバイス

カラーアングルセラピー日記

ピンクを取り入れたカラーアドバイス01梅雨はとっくに過ぎたというのに、紫陽花のデザインや色合いを多く取り入れた飾りのものやグッズが私の部屋に沢山散らかっている。最近、カラーコーディネートとしての仕事を担当させていただいているのは、20代後半の肥満と、夫婦倦怠期と過度の主婦ストレスに悩む若奥様のご家庭だった。インテリアコーディネーターと心理カウンセラーの両方の実績と資格を持つ私は、風水の観点から家庭内の、色といった観点からいい住空間アドバイスをしている。

結婚5年目の御家庭、子供さんにも恵まれて、主婦業に忙しく、ケーキ屋を経営される御主人はケーキ職人であり、最近は外回りの販売に忙しく、寝るとき以外奥様とは殆ど顔を合わせない、奥様は自宅のケーキ店と家事とできりきりまいでストレスがたまり過食気味で体重増加、夫との冷めきった愛情によけいストレス増加と言ったご家庭で、悲鳴を上げるかのように私の事務所の噂を聞きつけて依頼に来られた。

まず、ケーキ店であるといった意味、ピンクの装飾をふんだんに施さなければならない店内は、青と水色のすっきりとしたデザイン、ご自宅はというと、ピンクの壁紙、猫5匹、室内犬、3匹、と言った感じ、部屋中には奥様の趣味で韓流男性アイドルのポスターだらけ。実際、どこから手をつけていいか、皆目見当のつかない乱雑な状態。南に南北に長いLDKとそれに続く東西方向の和室と続くスペースは、和室とリビングの境に家具が置かれ、実際愛情運には効果的、恋愛運にも効果的とされる、東西の空間の繋がりに塞き止めを掛けている状況。まず、

ピンクを取り入れたカラーアドバイス02私は、愛情運を散漫させてしまう、愛情の対象としてのアイドルのポスターを少なくすることと、多すぎるペットを幾匹か知人宅に引き取ってもらうようアドバイスして、和室とリビングとを遮っている家具を取り除き、居間として東西の空間を活用する工夫をするよう促した。実際、子供さんもいるのに、ペットの数を増やすというのは、愛情とか触れあいに、飢えている心理状況と伺えた。アイドルのポスターや多すぎるペットは愛情の対象を散漫にしてしまい、逆にひとつの愛情が根付きにくくなるという風水では基本中の基本のカテゴリーなのだ。

ピンク一色の部屋のカラーコーディネートは、逆にケーキ屋の店舗の方に適用すると食欲を増す効果が得られるし、家庭でのピンクは恋愛を呼び込む色だが、既に既婚されているご家庭では少し意味合いが違うと感じられた。逆にピンクの効果か、しかもストレスと並行して食欲を増進させている奥様の状況から、少し、葛を入れて発奮させた方がいいと思い、赤と明るいグリーンの配色なども提案してみた。私なりに、紫陽花の装飾や配色は、奥様にぴったりだと感じた、未婚の女性には縁遠くさせてしまう効果がある紫陽花も、主婦のストレスの発散効果としては、紫陽花を取り入れた造花や、装飾物を効果的に使うことも、今回のお客様へのいいアドバイスとして、私なりに、いろいろな、紫陽花の飾り物を用意した。

P邸にしばらくぶりに伺った時、奥様は何だかすっきりとした感じで、一か月に7キロの減量に成功していた。奥さんは何だか短期間で見違えるほど魅力的になっておられて、昼間だというのに、ご主人とティータイムを愉しんでおられ、ピンクに装飾してリニューアル開店したケーキ店は大盛況の様子。

ピンクを取り入れたカラーアドバイス03その日の午後は約束の場所があった、ファッションデザイナーを続けながら、私なりの風水に関心を持っていてくれた助手の女性Pは、今日、風水の修業のため見学旅行してしばらく滞在していた香港から帰ってくる。私とは度量が違うなと感心するのは、何でも徹底的なPの努力ぶりだ、風水と聞けば、本場の中国へ飛んで、本格的に勉強をしようとする姿勢は、少し私なりに煙たい感じがする。私なりに決着をつけたい気持ちがあった。今日半年ぶりに彼女と再会する場所は、私なりの配慮で、指定しておいた。都内から離れた、閑静な郊外の、数年前に購入してとある理由からか、全然住んでいなかった分譲マンションだ。婚約をして、結婚式を数週間に控えていた、かつての婚約者と一緒に住む予定だったマンションだ。室内はピンクで統一され、愛を育む場所として設定しておいた。Pは再びここに向かい合う勇気を私に与えてくれた気がした。何でもストレートで、物おじしないPは、交通事故であっけなく逝ってしまった彼女の意思をPを通して私に伝えてくれているかのようだった。だから、あえてここにPを案内しておこうと思った。ここでPと新生活をスタートさせられる確証もなかった、ただ、ポケットには、数カ月分の収入のなれの果てが、潜んで飛び出さんとばかりの勢いを気で満たしていた。

ドアは空いていた。そして、室内に入った私は余りにも変わりように唖然として、たまげた。

「奥さんの命日なんでしょ、ちょっとぉ」

Pの声は相変わらず、高飛車で、人を威圧する勢いだ、その裏に潜む、慈悲深さがわからなければ誰もが誤解してしまうだろう。部屋は、赤で統一されていた。Pはすべて承知だった。私に内緒で、勝手に部屋のコーディネートをしていたらしい。

「あたしが本場で風水を学んで、一番感じた好きな色があるの、その色をこのあたしたちの新居にコーディネートしたいの」

ピンクを取り入れたカラーアドバイス04「赤は、行動の色、センセはピンクが愛を育む色だって勘違いしているみたいだけど。赤がなきゃなんにもおこんないのょ、ちょっとわかってんのぉ。」

「人は生きているの、死んでしまった奥さんへの気持ちは大切にしておけばいい。でも、前に踏み出さないと、何にもかわんなぃのょ。」

「この色はあたしからセンセへのプレゼント、そして、あたしからのぉ。」

私はポケットからとあるものを取り出して、Pの顔が喜びで、ほころんでいくのを眺めながら、くすっ、と笑った。