第3回: 暖色系の秘密 -気持ちを前向きに変える

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幸せをもたらす色彩心理学

第3回: 暖色系の秘密 -気持ちを前向きに変える

幸せをもたらす色彩心理学

私たちの住む日本のすばらしいところの一つに、四季があることがあげられます。春、夏、秋、冬と季節ごとに日本人は自然の中に鮮やかな色を感じ、それを生活の中に取り入れてきました。その日本人のカラーコーディネート術はすばらしいという声が実は世界中から届いているのです。夏には、涼しげな色で部屋を彩り、温もりが欲しい季節には暖かさを感じさせる色を使って部屋を幸せ色に彩る。

暖色系の秘密01デパートや大きなショッピングモールに行けば、そのディスプレイがいち早く次の季節の到来を告げます。寒さから逃げるように入ったショッピングモールでカラフルな毛糸で編まれたマフラーや帽子のディスプレイや積み重なった毛布は見ているだけで暖かな気持ちになります。

私たちは色を見て「柔らかそう」「硬そう」「暖かそう」「寒そう」と感じます。これは色を見るという視覚とまた物を触るという触覚が結びついているから起こる現象です。ある工場で黒い色の箱を従業員に運んでもらうという作業をしていたところ「重くてとても運べない」という苦情が殺到していたそうです。しかし、まったく同じ中身なのに箱だけを明るい色のものに変えて、同じ作業をしてもらったところ「今度の荷物は軽く、作業は楽だ」と効率がアップしたそうです。

また、コタツメーカーは、わざと発熱部分を赤色や黄色などの暖色系ガラスでデザインしていて、体感温度がアップするようにしているそうです。もしこの原則をインテリアに用いるなら、私たちの生活はきっともっと快適になるのに違いありません。部屋に使っている色によって、気分が変わっていくからです。

第1回目のコラムでも少し触れましたが、色は大ざっぱに3つに分けることができます。暖色、寒色、そして中間色です。簡単に説明すると、暖色とは暖かく感じる色のことで、寒色とは冷たく感じる色のことです。中間色は純色に灰色を加えた色のことをいいます。

暖色系の秘密02今回このコラムでは「暖色」について詳しく見ていきたいと思います。 暖色は見ていると暖かい印象を受ける色のことで、代表的なものに赤色、黄色、オレンジ色があります。これらの色が持つイメージは、血、エネルギー、情熱、陽気、健康、幸福、闘争心、怒り、熱狂、華やか、派手、自信、若さ、活気などです。また、暖色は「興奮色」「進出色」とも呼ばれています。気持ちや食欲を高める効果があるのと、実際よりも前に迫って見えるという特徴があるからです。前回のコラムで書いた「マクドナルドの赤い看板の原則」はその典型的な例ですね。そんな暖色系はリビングやダイニングルームなど人が集まり、一緒に食事をしたりパーティーをする場所に最もふさわしい色ですね。もしあなたの部屋があまり陽が射さない陰鬱な北向きの部屋だったら、暖色インテリアに変えることによって、気持ちが前向きに変わるでしょう。

また、四季を通じて最もこの色を使ったインテリアが合うのはやはり冬でしょう。冬に暖色をインテリアとして使用するときは、オレンジ色がおすすめです。オレンジ色は炎の暖かさ、また人の温もりを連想させ、その家を訪れる人を心の奥から優しく温めることのできる色だからです。一人暮らしの方も、たとえ一緒に住んでいる人がいなくても、この色に包まれていると、落ち着いて過ごすことができそうです。しかし、暖かさを感じる色だからと言って、暖色ばかりを部屋の中で使っていたら、気持ちが落ち着くどころかその色の強さが目に入り、疲れてしまうでしょう。それなので、部屋を暖色系にする時は、視野の1~2割程度に抑え、アクセントとして用いるのが良いとされています。例えば、リビングルームにおかれたソファのクッションを暖色にしてみる。暖色のランチョンマットを揃えてみる。穏やかな暖色のカーテンやラグに変えてみる。これなら簡単にできそうですね。

暖色の代表選手である赤色は非常に強い印象を与える色なので、特別な日のためにとっておくのもいいと思います。クリスマス、お正月、特別な人やお友達の誕生日などには心をこめて赤色をさりげなく使ってスペシャルな雰囲気を演出してみましょう。寒い北欧ではこの暖色系のインテリアが主流です。テレビや雑誌などをチェックして暖色系インテリアの参考にしてみるとよいかもしれませんね。ぜひ暖色を使った温もりインテリアにチャレンジしてみてください。