第4話: 30代女性が見つけたカザマのラタンチェアとモダンの素敵な関係
ラタン家具の歴史をひもとくと、一説には1000年以上前から籐で編んだ家具がつくられていたとも言われる。17世紀後期から18世紀初頭のフランス絶対王政全盛期には、ヨーロッパの貴族にも愛されたラタン家具。我が国における籐家具のパイオニアとして90年以上の歴史を持つカザマのラタンチェアも、長い間愛され続けてきた逸品だ。
今回取り上げる天然のラタンを使ったブラックカラーのカザマのラタンチェアは、どこかオリエンタルな雰囲気があり、インテリアをワンランクアップさせてくれるもの。曲線的な凝ったデザインは、ラタン職人の腕がなせる技。そんなカザマのラタンチェアを使って、シックでモダンな空間をつくってみよう。想定するのは、ひとりで気ままに暮らす30代女性のベッドルームだ。
カザマが商品に込めたストーリー
籐家具一筋100年「カザマ」の正体
第1話: 日本における籐家具の“先駆者”老舗メーカー『カザマ』が語る籐家具の真実
第2話: 見惚れずにはいられない 籐と本気で向き合うカザマの籐家具作り
第3話: その想いに目頭が熱くなる 籐と本気で向き合ってきたカザマの100年
第4話: 30代女性が見つけたカザマのラタンチェアとモダンの素敵な関係 ← 今回の記事
「カザマのラタンチェアって、あのラタンでしょう?おばあちゃまのお家にあったラタンよね。素材や品質、どれをとってもいい物だとわかっているけれど、私の部屋に合うのかしら?」
ここは30代女性がひとりで暮らす部屋の広いベッドルーム。プレゼントに両親から贈られたカザマのラタンチェアを前に、コーディネートに悩んでいる様子。そもそもここはベッドルームではあるが、眠るだけの部屋ではない。書斎というよりはリビングのようなくつろぎのスペースを兼ねたベッドルーム。ずいぶん前に、彼女はスペースを持て余していると両親に話していたのだ。カザマのラタンチェアと一緒に届いたメッセージカードには、こう書かれていた。
「本物をひとつ、部屋に置いてごらん。きっと違いがわかるし、部屋も暮らしも変わるから」
もともとインテリアには強いこだわりがあった彼女。早速カザマのラタンチェアを、女性好みのモダンなスタイルにコーデイネートすることにした。まずはレイアウト。寝室の主役であるはずのベッドを脇に置き、カザマのラタンチェアを中央に配置。くつろぎの時間を大切にしたい彼女ならではのレイアウトだ。
カザマのラタンチェアのあるスペースはリラックスの場所。淡いラグを敷き、ゆるやかにゾーニング。側にはニットのプフやドライ植物も飾り、ゆったりとくつろげるスペースをつくった。窓際に飾った観葉植物は葉が程よく大ぶりで存在感があり、葉の形状がカザマのラタンチェアの繊細なデザインによくマッチしている。
「まずは形状や素材の違いでメリハリと変化をつけて。この黒いスリットのペンダントライトなら、カザマのラタンチェアのデザインにリンクしているわ。天然素材を使った照明も組み合わせれば、モダンな雰囲気にナチュラルな安らぎも加えられるわね」
カザマのラタンチェアのある空間に合わせたスモーキーグリーンの腰壁は、モールディングが上品でモダンな印象。黒いラタンチェアを引き立てるため塗りムラを残し、少し高めにして空間を開放的に見せている。床もムラ感のあるモルタル調にして、カザマのラタンチェアや照明の天然素材との対比でメリハリをつけた。
「ベッドまわりは眠りの間。グリーンの腰壁やモルタルの床に合わせて、グレーのファブリックベッドにして良かったわ。カザマのラタンチェアに合わせてベッドも黒にしてしまうと、部屋全体が重くなってしまうから」
ベッドに採用したウォームグレーは、空間をやさしく包むぬくもりの色。床のモルタルと調和する上、黒いラタンチェアも引き立てるので、空間に程よいメリハリが付いた。ファブリックもホワイトやグレーをメインに、ダークグレーやネイビーのカバーでスパイスを加えた。
ベッドの横には樹木をそのまま切り出したようなサイドテーブルを置いて、自然の質感を高める。カザマのラタンチェアにリンクさせるよう、テーブルランプは黒。曲線のネックが細く存在が薄いので、カザマのラタンチェアの美しいフォルムを邪魔しない。
「昔から愛され続ける物には理由があるのね。きっとカザマのラタンチェアじゃなかったら、こんなモダンなコーディネートについて来れなかったはず。素材の質の良さ?職人の手仕事?本物って本当にすごいわ」
これまでベッドで過ごす時間が多かった女性だが、このコーディネートが完成してから新しい趣味が増え、部屋での過ごし方が変わった様子。新しい趣味は、カザマのラタンチェアで読書すること。両親の手紙通り、1脚のチェアが彼女の部屋も暮らしも大きく変えたようだ。