第4話: 弾力性を更に高めろ! ー ブレスエアー
フランスベッドのすごさは、コイル技術だけではない。耐久性を保ちつつ、より快適な眠りを得ることができる「ブレスエアー」という構造のマットレスがある。この「ブレスエアー」は、高い耐久性と快適性を求められる高級寝台列車や新幹線の座席などで採用されている。高機能な構造体「ブレスエアー」とは、一体どんなものなのだろうか。
フランスベッドが商品に込めたストーリー
日本人の睡眠を知り尽くしたベッドメーカー「フランスベッド」の正体
第1話: 日本人の睡眠を知り尽くしたベッドメーカー フランスベッドの歩みを知る
第2話: フランスベッドのすごいコイル技術「高密度連続スプリング®」の秘密
第4話: 弾力性を更に高めろ! ― ブレスエアー ← 今回の記事
弾力性を更に高めたマットレスを作る「ブレスエアー」
フランスベッドのマットレスには、「ブレスエアー」という構造体を使用しているマットレスがある。ぜひとも選んだマットレスに「ブレスエアー」が使われているか、という点に注目してほしい。この「ブレスエアー」は東洋紡という会社が開発した構造体だが、この構造がまたすごいのだ。
最近のマットレスはこのような構造をしているものが増えているので、おそらく一度は目にしたことがある形状ではないだろうか。この形状の第一の特徴として、反発性と弾力性が高いということが挙げられる。要するに高反発であるため、腰を支える力が強く、寝返りも打ちやすい、ということだ。
また、素材にも注目してほしい。実は上記のような構造をしたマットレスのほとんどは、「ポリエチレン」という素材を使っている。この「ポリエチレン」は耐久性にデメリットがあり、特に熱に弱く劣化しやすいのだ。つまりへたりやすいということ。一方で、「ブレスエアー」は「熱可塑性ポリエステルエラストマー」という素材を使っている。こちらは、劣化しにくく耐久性が高いという特徴がある。
それを証明するデータがある。「ブレスエアー」と「ポリエチレン」をギュッと半分に圧縮して、70℃という高温の中で、22時間放置をした結果が下図だ。「ブレスエアー」は元の形にほぼ復旧しているが、「ポリエチレン」はほとんど復旧していない。この結果からも「ブレスエアー」が熱に強く、耐久性に優れていることは明らかだ。
もう一つの特徴をご紹介しよう。「ブレスエアー」のような構造体では、「湿気がこもり、ムレるのではないか」という不安を感じるかもしれない。しかし、その心配も無用だ。下図は「ブレスエアー」で寝ている間の湿度を測定したものだが、湿度は高くなっていない。つまりムレていないことが分かる。
このような特徴がある「ブレスエアー」だが、その機能性の高さを裏付ける多くの利用事例がある。「ブレスエアー」は、下記のようなところで採用されている。
- 東海道新幹線N700Sのシート(グリーン車も含む)
- 東北新幹線 グランクラスシート
- JR東日本 SUITE四季島 ベッドマットレス
- JR西日本 特急サンダーバード、特急はるか、のシート
簡単に言うと「ランクの高い電車のシート」で使われており、それは「多数の利用者が使う」「座り心地が求められる」シートということだ。耐久性と快適性の両方を兼ね備えているからこそ採用された、ということだろう。
フランスベッドのマットレスを選ぶ際に、この「ブレスエアー」にもぜひ注目してほしい。