第5話: シーリーのベッドをバランサーに30代女性が図る空間の調和

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カヴァースメディア部

インテリアをテーマにすると、必ず話題に上がるのが「統一感」と「メリハリ」。内装を含め、色やトーン、素材の一部あるいは複数箇所に同じものや似たものを取り入れることで、ひとつの空間のテイストがまとまる「統一感」。対して、空間のテイストやカラーとは異なる色や形状、素材などをアクセントに取り入れることで、部屋を引き締める「メリハリ」。どちらもインテリアを魅力的に見せるために必要なポイントだ。

今回は、落ち着いた深い色合いが重厚で、直線的なフォルムが洗練された印象のシーリーのベッドをピックアップ。主役であるシーリーのベッドのヘッドボードに施されたクラシカルな装飾を活かすため、ナチュラルテイストにまとめていく。想定するのは30代女性のベッドルーム。明るい色の木が主体のナチュラルインテリアに、シーリーのベッドのダークカラー。空間全体の統一感とメリハリを意識してコーディネートしてみよう。

「そうよ、人間には明るさが大事なの。ほら、日光を浴びると自律神経が整うって言うじゃない!明るい場所に明るい気持ちでいたら、人生も明るくなるって」

ここは、女性の明るい声が弾む寝室。明度の高い木目を多用し、大きな窓からはたっぷりの朝日が注ぎ込む、彼女の性格をよく反映したベッドルームだ。素朴な木目のナチュラル感と光を反射してさらに部屋を明るくする淡い色合いの壁面は、何よりも「明るさ」を重視する彼女のオーダーだった。

このひたすらに明るい部屋でひときわ存在感を放つのが、シーリーのベッド。内装とは対照的なシックなダークカラーが印象的だが、明るく爽やかなナチュラルテイストの空間に見事に調和している。女性は電話を切り、ベッドに腰掛けて部屋を見渡した。

シーリーのベッドのダークカラーをナチュラルカラーで和らげ、さらに際立たせる

「シーリーのベッドを買った後だったかしら。調和の大切さを知ったのは」

明るさだけが取り柄とばかりに突き進んできた彼女の人生、この寝室も明るさをテーマに統一された空間だった。ところが、シーリーのベッドを置いてみて、彼女は知ることになった。“それだけ”では快適な空間は成り立たないことを。「明るいだけでは味気ないから」と陽気な性格の彼女が選んだシーリーのベッドは、濃く深いダークカラー。統一感にこだわっていた彼女が唯一、寝室の主役にと選んだカラーだった。だが、いざ置いてみると強烈な違和感が頭をもたげた。

「これ以上ないほど明るい部屋にシックなダークカラー。シーリーのベッドだけが浮いて見える。これでは台無しだわ」

空間とシーリーのベッド間を緩衝するラグは重要アイテムだ

課題は「統一感」と「メリハリ」のバランス。そこで彼女はシーリーのベッド周りにいくつかのアイテムを取り入れることで、空間の調和を図った。まず、ベッドルームで比較的大きな面積を占めるベッドカバーには、壁面に近いトーンのウォームグレーを選び、空間の統一感を狙った。次に、フリンジの付いた大ぶりな柄物ラグをシーリーのベッドの下に敷いて、フロアの明るい色とベッドのダークカラー間に生まれた色のジャンプ率をやわらげた。大きなヘッドボードの可視面積を調整するため、ピローはふたつ。さまざまなアイテムが持つ色合いや大きさ、素材感が、明度の高いナチュラルカラーとシーリーのベッドのダークブラウンを調和させていく。

「アクセントカラーも必要ね。そうだ!この背の高い観葉植物に合わせて、くすんだ色味のグリーンにしましょう」

ベッドスローやサイドテーブルの多肉植物にスモーキーなグリーンを選び、明るい「統一感」とシーリーのベッドがつくる「メリハリ」の周りに散りばめた。あえてカーテンをつけない大きな窓に映る借景のグリーンともうまく調和。さらに、シーリーのベッドのヘッドボード左右にはダークカラーの照明を、壁面にはベッド周りを引き締めるダークカラーのフレームが効いたアートを配置して、ナチュラルとダークトーンのバランスをとった。

明るく優しい空間でシーリーのベッドの高級感が光るスタイリング

こうして、明るいナチュラルテイストで統一された空間に、シーリーのベッドがメリハリとなった、明と暗が調和する上質な空間が生まれた。ダークカラーでもナチュラルインテリアと調和できるのは、シーリーのベッドが持つスマートで洗練された高いデザインの賜物だろう。

「この部屋が完成した時のことを思い出したわ。次の開発のテーマにしましょう」

彼女の職業は調香師。シーリーのベッド横に置いたサイドテーブルから取り出したメモに、彼女は「調和〜ハーモニー」と記した。

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