今注目を集めるジャパンディスタイルとは?
【連載】世界を魅了するジャパンディの魅力
- 【第1回】 今注目を集めるジャパンディスタイルとは? ←今回はココ
- 【第2回】 ジャパンディインテリアを作る5つのポイント
- 【第3回】 【部屋別】ジャパンディスタイルを取り入れる方法
「ジャパンディ」という言葉をご存知だろうか? ジャパンディとは、ミニマルな日本文化と、自然の温もりを大切にする北欧文化が融合してできた、新しいスタイルだ。コロナ禍を背景に「おうち時間」の充実を求める声が高まり、すっきりとシンプルでありながら居心地の良いジャパンディスタイルのインテリアに、今世界中の注目が集まっている。
このシリーズでは、ジャパンディスタイルとは何かを紐解き、実際のインテリアにどのように取り入れるかを解説。新しいのにどこか懐かしい、ジャパンディスタイルの魅力に迫る。
自然と共に歩むミニマルな日本文化
まずは和室の特徴をおさらいしよう。最初のポイントは、「天然素材の多用」である。障子やふすまに囲まれた畳敷きの和室は、天然素材をふんだんに使っている。い草で作られた障子に、木材と紙を組み合わせた障子。柱や家具も、ほとんどが木材製だ。自然を感じさせる素材使いで、一歩踏み入れるとほっとする、和み空間を作り出しているのである。
古くから日本庭園で使われる「借景」という造園技法も、自然に親しむ日本文化の特徴をよく表している。借景とは、庭の外に見える樹木や山を背景として利用し、庭園の一部として取り込む方法である。障子を開けて一歩下がれば、障子枠がまるで額縁のようにも見えるのだ。四季を通して変化し続ける自然風景を、アートのように楽しむ工夫である。
和室のもう一つの特徴は、そのミニマルさだろう。家具の数をおさえ、空間をシンプルにまとめる。和室を寝室として使う場合でも、日中は布団を収納しておいて、空間を広く使う。代表的な装飾は、掛け軸や生け花、壺など。どれも主張しすぎず、和室全体の自然な調和を乱さない。
また和室インテリアの配色には、自然由来の「アースカラー」が多く使われる。アースカラーとは、大地や植物を思わせる色のこと。畳や漆喰、竹などをイメージしてもらうと分かりやすいだろう。そこに日本の伝統色を組み合わせれば、調和の取れた配色が完成する。
温もりと居心地の良さを追求する北欧文化
一方、北欧インテリア最大の特徴はズバリ「居心地の良さ」だ。北欧圏の冬はとても長く、日照時間も短いため、家で過ごす時間が長くなる。そのため、快適に過ごすことを目的に自然の温もりを感じられるインテリアを追求してきた。
北欧には「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉がある。これは「居心地が良く陽気な気分」を表す表現で、北欧の人々にとって大切な考え方だ。自宅で家族や友人とリラックスした時間を過ごすことも「ヒュッゲな時間」。空間作りにおいても同じだ。北欧では、温かみがあり、身も心も休まるインテリアを目指している。
そんな北欧インテリアでよく使われるのが、木製の家具。ウールやリネンなどの天然素材を組み合わせた、ナチュラルな家具が多い。特に明るい白木素材の家具は、王道の北欧スタイルに欠かせない。フォルムはすっきりとシンプルで、飽きのこないデザインだ。先に向かって細くなる「テーパードレッグ」の脚がついたソファは、北欧デザインの代名詞でもある。
配色としては、ベースカラーにグレーやベージュ、アイボリーなどのナチュラル色が選ばれる。そこに、ビビッドカラーやパステルカラーを差し色としてプラスするのが北欧流だ。北欧ファブリックには、目の覚めるような明るい配色を採用したものも目立つ。落ち着いた配色の中に、幾何学模様や動植物のモチーフをあしらったファブリック類をスパイスとして取り入れるのが人気のスタイルだ。
日本文化と北欧文化を融合させたジャパンディスタイル
ジャパンディとは、「ジャパニーズ(日本)」と「スカンディナビアン(北欧)」を組み合わせて作られた造語である。
Japanese × Scandinavian = Japandi
和と北欧のテイストを融合させたインテリアスタイルが、ジャパンディなのだ。ジャパンディは海外で生まれた言葉で、2021年ごろから人気が加速。この新しいコーディネートに世界中が注目している。
ジャパンディスタイルとは、「ミニマルかつ温もりを感じるインテリア」だ。部屋にはモノを置きすぎないように注意。ポイントは「余白」だ。開放感ある室内に、ナチュラルな温もりを感じさせる家具や小物を配置する。アクセントカラーには、和と北欧の要素を取り入れるとすっきりまとまる。
さらに、ジャパンディスタイルはポイントさえ押さえれば比較的簡単に実現できる。日本人になじみ深い和テイストを併せ持っていることからも、取り入れやすいスタイルと言えるだろう。おうち時間を快適にしてくれるジャパンディスタイル。ぜひ注目してほしい。
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