ジャパンディインテリアを作る5つのポイント
【連載】世界を魅了するジャパンディの魅力
- 【第1回】 今注目を集めるジャパンディスタイルとは?
- 【第2回】 ジャパンディインテリアを作る5つのポイント ←今回はココ
- 【第3回】 【部屋別】ジャパンディスタイルを取り入れる方法
地理的には遠く離れた場所に位置しながら、共通点の多い日本と北欧の文化。自然と安らぎを愛する両者が出会った時、ジャパンディが生まれた。ミニマルでありながら温もりを感じさせる魅力的なスタイル。世界を虜にしているジャパンディだが、どのようにインテリアに取り入れれば良いだろうか?
実は、ジャパンディを自宅に取り入れる際に意識してほしい、5つのポイントがある。本記事では、具体例を交えながらそのポイントを解説する。少しの工夫で、一気にジャパンディに近づけるだろう。
モノを置きすぎず「余白」を楽しむ
最初のポイントは、「モノを置きすぎない」ことだ。ジャパンディスタイルでは、「モノが置かれていない空間=余白」をとても大切にする。これは、日本のわびさびや北欧のミニマリズムに通じる考え方である。余計なモノがない、シンプルで機能的な空間。それがジャパンディの目指すインテリアなのだ。余白を残した空間では、落ち着きや静けさを感じられるだろう。
具体的な余白の作り方はこうだ。まず、家具や小物は必要最低限の数に絞る。シンプルで機能的なアイテムを厳選し、使いやすい場所に配置しよう。装飾も、空間に落ち着きをもたらすものだけを選ぶ。モノクロやニュートラルカラーのアートなどを、余白を意識しながら飾ると良い。この時、決して壁面を埋め尽くさないように注意を払ってほしい。
空間に余白を作り出すには、まずモノの数を減らす必要がある。もし手放したくないモノがたくさんある場合は、木やファブリックで作られたボックスに収納しよう。フタ付きタイプであれば、雑然とした印象を与えない。整理整頓が苦手な人には、こういった「隠す収納」がおすすめだ。
天然素材の家具や小物でナチュラルに
家具や小物を選ぶ時は、天然素材のモノに注目しよう。日本も北欧も、共通するのは「天然素材を多用する」点。人工的な要素をできるだけ排除し、ゆったりくつろげる空間を演出する。そのため、木や竹、リネンやウール、和紙などの、自然由来の素材を中心にコーディネートするのがジャパンディインテリアへの近道だ。おすすめのナチュラルアイテムを挙げてみよう。
- ウッドフレームのソファ、ベッド
- 木製のテーブル&チェア
- 和紙やリネンのランプシェード
- 陶器のフラワーベース
アイテム選びに迷ったら、それが「天然素材かどうか」で判断すると良いだろう。また、ジャパンディスタイルに置く家具や小物には、装飾を削ぎ落としたシンプルなデザインが好相性だ。禅の世界に通じる静けさを醸し出す、ミニマルで機能的なアイテムを厳選しよう。
ソファやベッド、テーブルやチェアなどの脚付き家具には、ほっそりした脚のものを選ぶとスタイリッシュなインテリアに仕上がる。難しいテクニックを必要としないため、こちらも「どれを選べばいいかわからない」人におすすめの方法だ。
さらにジャパンディでは、職人が丁寧に作り上げた家具へのリスペクトが根付いている。確かな技術に裏打ちされた高品質な家具を投入すると、上質なジャパンディ空間になるだろう。ワンランク上のジャパンディスタイルを目指す人は、ぜひ職人技が光る家具を選んでほしい。ダイニングセットなどの空間の主役となる家具なら、なおさら効果的である。
ニュートラルカラーをベースにまとめる
3つ目のポイントは「ニュートラルカラー(無彩色)でまとめる」ことだ。日本も北欧も、インテリアのベースカラーは落ち着いたニュートラルカラーであることがほとんど。ジャパンディスタイルでも、それは同じである。
具体的には、アイボリーやベージュ、ライトグレーなどの明るいトーンのニュートラルカラー。こういった色の分量を多くすればするほど、ジャパンディらしさがアップする。木製家具も明るい白木タイプで統一すると間違いないだろう。ダークカラーを取り入れることもできるが、黒などの強い印象を与える色の分量は控えめに。あくまでインテリアのアクセントとしてポイント使いすると良い。色数も絞り、ミニマルさを強調する。
ニュートラルカラーを基本とするジャパンディだが、他の色を使ってはいけないというわけではない。差し色として使いやすいのが、植物や海をイメージさせるアースカラー。彩度が低いアースカラーは、周囲のインテリアから浮くことなく空間に彩りを添えてくれる。ブラウン、テラコッタ、カーキ、モスグリーン、ブルー…。大自然から抽出されたアースカラーは、ジャパンディの目指す自然の温もりあふれるインテリアにしっくり馴染むだろう。
和の伝統色もアクセントカラーとして使いやすい。例えば、薄いピンクの撫子色に、オレンジがかった朱色。新録を思わせる若緑に、深いブルーの紺青(こんじょう)。北欧テイストの家具と合わせれば、思わぬ化学反応を目の当たりにするかもしれない。彩度が高くインパクトが強い色は控えめに配置するよう心掛ければ、落ち着きを重視するジャパンディでも色合わせを楽しめるのだ。
背の低い家具を配置して空間に落ち着きを与える
次のポイントは「家具は低めのものを選ぶ」こと。床に座る暮らしをしてきた日本では、座卓や座椅子など背の低い家具を使うことが多かった。ロースタイルの家具は圧迫感を感じさせず、開放感を与えてくれる。空間に余白を多く残すことで、和室ならではのミニマルさも際立たせるのである。
ジャパンディスタイルにも、ロースタイルの家具を合わせる人が多い。短い脚付きのローソファやローベッドはもちろん、脚のないフロアソファやフロアベッドもおすすめのアイテム。ロースタイルの家具には部屋を広く見せる効果もあるので、部屋の狭さで悩んでいる人にも有効である。
ソファやベッドなどの洋風家具を置いていても、全体の高さを控えめにすると、和室のような落ち着きある空間を作れる。収納棚などの家具もロースタイルで統一すると、よりジャパンディらしくまとまるだろう。
花や植物でアクセントをプラス
ニュートラルカラーを中心に配色を組み立てるジャパンディスタイルでは、アクセントカラーの使い方に頭を悩ませることもある。「取り入れるべきカラーや分量がよく分からない」という場合には、ぜひ植物を添えてみてほしい。季節の花や観葉植物がナチュラルな空間に馴染み、程よく彩りを加えてくれるだろう。
さらに、ジャパンディインテリアには枝ものやドライフラワーもよく似合う。青々とした観葉植物よりも控えめな存在感で、静寂を感じさせるだろう。天然素材のフラワーベースに挿すだけで、おしゃれなアクセントにもなる。和のテイストを押し出したい場合は、苔を飾るのも一案だ。
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