インテリアの「色」と「素材」が持つ大きな効果

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カヴァース編集部

今回は、インテリアの色や素材に着目。色が与える心理的効果や木製家具が持つ魅力に迫る。

色が与える心理的効果

インテリアの色は、空間の雰囲気を左右するのはもちろん、人に及ぼす心理的効果も持っている。代表的な色の効果をご紹介しよう。

草木を連想させる「緑」は、安らぎや落ち着き、癒しを与えてくれる色。緑を多く配置した部屋では、自然の中にいるような、リラックスした気分を味わえる。

リビングや寝室、書斎などに幅広く使える万能カラーだ。インテリアコーディネートに自信のない人でも、扱いやすいだろう。

「青」は鎮静作用の強い寒色の代表色だ。セロトニンの分泌を促すため、興奮状態の心を落ち着かせてくれる。

人種や性別を超えて愛される色である。爽やかな雰囲気を演出してくれるので、洗面所に使うのもおすすめだ。

「赤」は、活動的、情熱的なイメージを与える力強い色。アドレナリンの分泌を促し、人を興奮させる作用を持つ。食欲増進の効果もある、キッチンや食卓にぴったりの色だ。

ただ赤は強いインパクトを与えるため、インテリアに取り入れる際はその分量を控えめにすると失敗しない。

ビタミンカラーの「オレンジ」は、元気を与えてくれる色だ。健康的で明るく、活発なイメージ。赤と同じく食欲をそそる色なので、こちらもキッチンや食卓に取り入れてほしい。

オレンジはあたたかみも感じられるため、リビングでの使用にも向いている。

「黄色」はすべての色相の中でいちばん明るい色。そんな明るい黄色を見ていると、前向きで元気な気分になれる。

ただ彩度の高い黄色はよく目立つので、インテリアではポイント使いに限定しよう。トイレや廊下などの暗い場所に黄色のアートを飾ると、空間がパッと明るくなるだろう。

「ピンク」は、人を優しく包み込む幸せの色。愛や恋を象徴する色で、部屋に取り入れると一気にかわいらしい空間に変わるだろう。

ピンクには女性ホルモンの分泌を促し、肌をきれいにする効果があるともいわれている。フェミニンなインテリア作りに、特に活躍する色である。

落ち着いた印象の「茶色」は、心に安定感をもたらしてくれる。自然界から抽出した「アースカラー」に分類され、素朴な温かみを感じさせる色だ。

インテリアでは、木製家具で茶色を取り入れることが多い。主張が強すぎず、どんな色とも馴染む万能カラーである。

「ベージュ」は茶色に白を混ぜた色で、優しく落ち着いた印象を与える。アースカラーの一種でもあるベージュは、ナチュラルインテリアにぴったりの色。

ほっとリラックスしたい場所に取り入れるのがおすすめだ。インテリアのベースカラーとしても優秀な色である。

「白」を基調とした部屋は洗練された印象を与え、生活感を感じさせない。部屋を広く見せたいときにも効果的だが、白一色にすると冷たすぎる印象になるため、程よく温かみのある緑色を配置すると良いだろう。

それぞれの色が持つ心理的効果を理解することで、理想の空間作りが可能になる。色の分量や組み合わせを考えるのも、インテリアコーディネートの楽しみの一つだ。ぜひ、色で自由に遊んでみてほしい。

天然木家具の魅力

家具や室内装飾の色使いによって、空間の印象は大きく変わる。そしてそれは、家具の素材でも同じである。家具の素材には、天然素材に加えて鉄やプラスチックなどの人工素材も多く使われている。しかし、温もりあふれる空間作りに欠かせないのは、なんといっても木製家具だろう。ここからは、木製家具、特に天然木製家具の魅力を掘り下げてみたい。

天然木家具とは?

「天然木で作られた家具」といっても、具体的にどんなもののことを指すのだろうか?ここで今一度その種類を確認しておこう。天然木家具に使われる木材には、無垢材、集成材、突板(つきいた)の3種類がある。

無垢材

無垢材とは、1本の木から削り出したままの木材のこと。木材を伐採してから乾燥・加工して使う。家具だけでなく、フローリングや内装材にも使われる木材だ。

いわば「木そのもの」である無垢材には、空気中の湿気を吸収・放出する調質機能が備わっている。強度に優れ、本物ならではの風合いを楽しめるメリットもあるが、高価であることが多い。

ワックスでの手入れが必要な場合もあり、手間もかかる。一生ものの家具を求める人におすすめの木材である。

集成材

集成材とは、小さく切った天然木のピースを接着剤で貼り合わせた木材である。複数のピースを組み合わせて1枚の木材として扱う。

そのため、木材同士の継ぎ目が現れるのが特徴だ。風合いでは無垢材に劣るが、強度や品質が安定しているというメリットがある。

突板

突板(つきいた)とは、無垢材を0.2〜0.5mm程度に薄くスライスした木材のこと。この薄い木材シートを、合板などに貼り付けて使う。

見た目は無垢材と遜色なく、比較的安価ながら上質な素材感を感じられる。無垢材で起こりやすい割れや反りもなく、扱いやすい木材である。ただ強度は無垢材にはかなわず、シートが剥がれてしまう可能性があるのが難点だ。

天然木家具3つの魅力

ナチュラルな空間作りに欠かせない木製家具には、たくさんの魅力がある。特に天然木で作られた家具には、唯一無二の個性や「育てる」楽しみも。ここからは、特筆すべき天然木家具の魅力を3点ご紹介する。

木材ならではの温もり

これは天然木に限ったことではないが、木製家具の持つ温もりは、人工素材にはないものだ。木製家具は、自然の風景を切り取って部屋の中に持ち込んだような安らぎを感じさせてくれる。木材には、金属のように触った時の冷たさもない。すべすべとした質感は、触り心地も柔らかだ。木製家具には、一つ置くだけでその場の空気を和ませる力があるのだ。

樹種によって異なる色みや木目

「天然木家具」とひとくちに言っても、使用された木材の樹種によって、その見た目は大きく異なる。好みの樹種を選ぶ過程も、天然木家具を探す時の楽しみだ。ここで、人気のある樹種をいくつか挙げてみよう。

  • オーク:ライトブラウン色で使いやすく、幅広い年代に人気。木目の中に「虎斑(とらふ)」と呼ばれる縞模様が現れることがある。
  • ウォールナット:チーク、マホガニーと並ぶ世界三大銘木の一つ。そのダークブラウン色は重厚感と高級感を感じさせる。強度と耐衝撃性が高い樹種。
  • パイン:パイン材は、マツから取れる木材である。明るいライトブラウン色で、節が多いのが特徴。木肌が柔らかく、優しい手触りだ。

家具が「育つ」経年変化

無垢材家具であれば、歳月とともに表情が変わる経年変化も楽しめる。経年変化は主に紫外線によって起こる現象で、色のトーンが暗くなったり明るくなったり、色み自体が変わったりもする。

経年変化というと「色が暗くなる」というイメージが強いかもしれないが、樹種によってその現れ方は実に様々なのである。例えばダークブラウンのウォールナットは、次第に赤褐色や茶褐色に。ライトブラウンのパイン材は、色の深みを増して飴色へと徐々に変化する。

手入れをしながら家具を「育てる」楽しみがあるのは、無垢材家具ならでは。毎日の暮らしの中でついた小さな傷も味となって、家族を見守り続ける。長年大切に愛用し続ければ、その家具はただの道具以上の価値を感じさせてくれるだろう。

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