日本の家具産業を取り巻く環境と、カヴァースのこれから

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カヴァース編集部

シリーズ最後となる今回は、日本の家具産業の現状をレポート。二極化や安値商品への傾倒が著しい市場環境と、カヴァースの見据える未来についてお伝えする。

日本の家具市場で進む二極化

日本の家具の市場規模は1兆5,000億円だが、そのうち大手家具メーカーが約半分を占めている。中国やベトナムで安価な家具を大量に作り、どんどん値下げをしているのが現状だ。またコロナ禍以降は消費者の節約志向に対応し、さらなる値下げを進めている。この流れは止められないと考えている。

日本の家具業界の最近の傾向では、大型店舗は売り上げを伸ばし、零細店舗は売り上げを落とすという二極化が生じている。特に老舗メーカー、高級家具店やセレクトショップ、アッパーミドル以上の価格帯を得意とする家具店は小さい店舗が多く、その小型店舗が売り上げを落としているのだ。

経済全体を見てもデフレが進んでいることに加え、日本は30年後に1億人を割り、4割近くが高齢者になると予想されている。家具に限った話ではないが、消費が減っていくことは明らかだ。

ものづくり産業を脅かす安値信仰とカヴァースの使命

安い家具を売る風潮が弱まらない限り、日本のものづくり産業は急速な勢いで衰退していくのではないかと危惧している。それを防ぐために、「なぜこの家具の価格が高いか」をお客様に理解していただく必要があるのだが、大手の通販サイトのほとんどはその重要性に気付いていない。

今後は、日本市場だけでは限界があるのも目に見えており、海外に販路を広げる必要がある。競争相手がグローバルになっても、日本の家具生産技術は間違いなくトップクラスだ。

国産家具メーカーの実力をきちんと伝えていかなければ、日本の家具産業は衰退していくだろう。弊社は、「使命感を持って家具の魅力を伝えていかなければならない」と考えている。


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