第1話: 人と暮らしの間で活動する生活製作所「マルイチセーリング」の思い

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カヴァース編集部

「ソファを作っている会社ではない。ソファを通してライフスタイルを創る会社だ」。マルイチセーリングは、ライフスタイルファクトリーをスローガンに暮らし全体から見た商品を提案している。作っているものは確かに世界も注目する「ニッポンのソファ」だ。ただマルイチセーリングは、それら名作とも呼べるソファの数々をつくることが企業の使命ではないと言うのだ。70年間で培ってきたマルイチセーリングのモノづくりへの思いとは。

「生活製作所」の実現を目指す

モノづくりの風土が宿る越の国−。福井県越前市で70年前に、将来、日本を代表するソファメーカーになる「椅子店」が産声を上げた。マルイチセーリングはソファを作っている会社ではない。ソファを通してライフスタイルを創る会社なのだ。1950年の創業以来、暮らしの中心となる家具(=ソファ)を提案し、「くつろぎのかたち」にこだわった商品開発を続けている。企業スローガンである「生活製作所」の実現を目指すため、〝メイド・イン・ジャパン〟にこだわったソファ部材はすべて国内で生産されており、注文をもらってから、ひとつひとつ丁寧に高品質の100%国産ソファを製造。国内の経験豊富な職人達によって選定された素材をもとにパーツから製作し、国内トップシェアを誇る年間約15000本の力作ソファを厳しい審査基準を経て、出荷している。

70年間で培ってきたモノづくりへの思いは、モノとしての品質はもちろん、「人や地球に負荷をかけないこと」「お買い上げいただいた後もきちんとアフターケアができること」「ものづくりに携わるものとしての責任ある姿勢をずっと守り続けること」・・・。そんな思いを大切に、企業として持続可能な家具づくりへと歩んでいる。それは、永く・快適に・安心して使える人と地球にやさしいソファ。2000年 ISO14001 を取得以降、それを進化させ、「マルイチ・エコ」としてリセット、「環境」「安心」「快適」の3つの視点から日本人のための心地よいライフスタイルを追求している。全ては次の世代に引き継ぐために・・・。マルイチセーリングは人と暮らしの間で活動する「生活製作所」だ。

誰も思いつかない画期的なアイディア

1950年、マルイチセーリングは創業者の小林一馬が「小林椅子店」として越前の地に開業した。彼は職人であると同時に、アイディアマンでもあり、マルイチの土台を作った。そのDNAを引き継ぐ2代目の小林幸一は、創業者の一馬が「良い商品を作っていれば売れる」という自論に対して「自分たちが売りに行かないと売れない」と考え、1970年初めに販路を関西・中部方面へ広げていった。

今でも取引がある京都の家具店に営業で訪れた際、「マルイチさんでしか作れないものを見せて欲しい」とのオーダーがあり、そこで幸一はその頃革新的だった、鉄のフレームをソファに組み込んだ。湿気の多い日本海から関西へ木製の家具を運搬すると、どうしても歪みが出てしまうが、その問題を見事にクリア。しかも壊れにくくて、丈夫なデザインだけに、お客様にもとても気に入ってもらえたそうだ。その商品がマルイチセーリングの礎となった「ブリスク」というモデル。現在は廃盤となったが、日本の住環境にフィットするミニチュア版の「ミニブリスク」は1977年からのロングセラーで今もなお健在。とにかく新しいことをどんどんやる。商品が高品質なのは最低条件で、誰も思いつかない画期的なアイディアが今でもマルイチのベースだ。

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