【シーリーのベッドと一緒】次は家族と何して遊ぶ?ベンチシートがあるセカンドリビングの寝室

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カヴァース建築部

住宅建築・リフォームにあたり、部屋の一辺いっぱいにベンチシートを設けたいという希望が増えています。リビングやセカンドリビングとしてのベッドルームなど、家族が集まる場所に設けて、ベンチに座りながら、そこで過ごす際に使うさまざまなものを収納できるというマルチファンクションな魅力が人気の秘密のようです。ベッドルームに設ける場合、洗い替えやオフシーズンの寝具、くつろぎの時間やベッドタイム時に使うさまざまな物を収納するのにとても便利な上、寝室をすっきりとキレイに片付けることができます。

今回は直線的なデザインと上品なナチュラルカラーが魅力的なシーリーのベッドを中心に、ここで過ごすのが大好きな6歳と4歳の息子とその両親の4人家族が集うベッドルームを想定して寝室らしいくつろぎのコーディネートを目指します。

「お父さん!今日は絶対に負けないからね」
「僕だって負けない!お兄ちゃん、ズルしないでよ」
「お父さんもお兄ちゃんもズルしてないさ。トランプゲームはかけひきがおもしろいんじゃないか」

ここはシーリーのベッドがある寝室。お風呂から上がった二人の息子とその父親が賑やかに入ってきました。これから3人でゲームを始めるようです。シーリーのベッドの両脇にあるベンチシートから、兄がトランプを取り出しました。時間に追われることのない金曜日の夜、ゆっくりと家族の時間を楽しんでいます。

「みんな!ココアを淹れたわよ。ベンチに置いておくから気をつけて」
「お母さん、ありがとう!金曜の夜のココア大好きなんだ」

シーリーのベッドをベンチシートで挟みニッチ棚でセンタリングを際立たせるレイアウト

家事を終えた母親が淹れたてのココアを持って寝室に入ってきました。次男の誕生に合わせて新築したこの家の寝室にベンチシートを置くのは、母親の希望でした。部屋の一辺いっぱいまで長いベンチシートは、その一辺が強調されるので、横向きに設ければ空間の幅を広く、縦向きにつくれば部屋の長さを際立たせる効果が期待できます。寝室を広々と開放的に使いたいと考えた母親は、ベッドルームの主役であるシーリーのベッドを中央に据えて、それを挟むようにベンチシートをレイアウトしました。

シーリーのベッドが空間の中央に位置するため、この部屋の主役であることが明確に。さらに主役感を演出するためヘッドボード側の壁にニッチ棚を設け、センタリングのレイアウトを強調。ナチュラルな木目の質感がぱっと明るいシーリーのベッドを一層引き立てました。ニッチ棚はベンチシートから物を出し入れできる高さに設けているため、一般的な収納家具よりも低く、部屋の重心を下げる効果が。そのため、空間の横幅が強調され、シーリーのベッド周りが広々とゆとりのあるスペースに見えるのです。

シーリーのベッドやベンチ、ニッチ棚で合わせた明るいナチュラルカラーに対し、足元は深い色合いの木目のフローリング。すべてを同じ明るい木目にしてしまうと、主役であるシーリーのベッドが空間に溶け込みすぎてしまいますが、同じ木目でも濃淡をつけたり板張りにすることで、空間全体を表情豊かに彩ることができます。

木目の色をシーリーのベッドに合わせたり際立たせたりすることでメリハリのある印象に

シーリーのベッドを中心にしているため、合わせるアイテムは左右のバランスをとりながら。ベンチシートの左隅にホワイトのパンパグラスやフラワーベースを配置したら、右側には手元を照らすブラックのワークライトを。シーリーのベッドから見て横に位置する壁にモノトーンのアートを飾ったら、反対の窓側には大きなグリーンを。色の濃淡や大きさによる軽さ・重さを足し引きしながら、シーリーのベッドを中心に据えて配置しました。

「お兄ちゃん、棚の本とって。僕、昨日、あの絵本の夢を見たんだよ」
「悪い夢を食べるバクの話でしょう。いいよ、僕も読みたかったんだ」
「どんな夢だったんだい?」

家族の話題がトランプの勝負のゆくえから、昨夜見た夢の話に変わりました。母親はベンチシートからグレーのブランケットを取り出して、絵本を読む兄弟をやわらかく包みます。実はこのグレーもこの部屋のポイントのひとつ。シーリーのベッドのナチュラルカラーに合わせて、ベンチシートやニッチ棚も木目の表情が豊かなぬくもりの色。対する壁はというと、ヘッドボード側はアクセントウォールの役割もあるため、石目調の質感が豊かなチャコルグレーのタイル風、サイドはマットな質感のウォームグレーにホワイトの巾木でメリハリをつけました。

シーリーのベッドの木目とグレーをベースにしたリラックスムードあふれる空間

木目のナチュラルカラーにグレーは好相性な組み合わせ。グレーは無彩色なので一見クールでモダンな印象に思えますが、特に明るい木目と組み合わせたり、ブラウンやブルーなどを加えたニュアンスのあるグレーを選ぶことで、ぬくもりあふれるやさしい印象をつくることができます。さらにシーリーのベッドに合わせるリネンやピローカバー、ラグのようにファブリックに使えば、素材のやわらかな質感が加わって、リラックスムードを高めることもできるのです。

「眠たくなってきちゃったね。あっ、もう眠っちゃいそうだよ」
「お父さん、バクくんのぬいぐるみ出して」

シーリーのベッドの両脇にあるベンチシートは、家族が心地よく過ごすためのさまざまな物が飛び出す魔法の箱。ベンチシートから取り出したバクのぬいぐるみを抱きしめる次男は、今にも眠ってしまいそうす。やさしく抱きかかえシーリーのベッドに運ぶと、父親は振り返り、長男に微笑みかけました。

「僕は全然眠たくないよ。どうしたの、お父さん?」
「今日も弟をよく面倒見てくれたね。お兄ちゃんらしくなったじゃないか。さぁこれからはお兄ちゃんタイムだよ」
「大好きなベッドルームだもんね。ベンチから何でも出せるわよ。さぁ、次は何して遊ぼうか?」