【シーリーのベッドがシンボリック】ホテルライクな寝室から始まる60代男性のセカンドライフ

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カヴァース建築部

人生100年時代となった今、リタイア後のセカンドライフの過ごし方が話題を集め続けています。これまで積み重ねた経験を生かして趣味を充実させたり、新しい仕事を始めるなどチャレンジをスタートしたり、そのバリエーションは多彩。歳を重ねることをポジティブに捉える人も少なくありません。そんなライフスタイルの変化に合わせて、住まいを見直す人も多いといいます。今回は、数十年に渡り名だたる高級なホテルに宿泊しながら世界を飛び回って仕事をしてきた60代男性を想定した寝室コーディネートをご紹介します。

取り上げるのはもちろん、世界に名をはせる高級ブランド・シーリーのベッド。中でもスマートで洗練された印象が際立つデザインのダークカラーのベッドをピックアップ。世界を渡り歩いた男性がセカンドライフの舞台に選んだ、世界のどこかの都市にあるコンドミニアム。その寝室にシンボリックにたたずむシーリーのベッドを中心としたコーディネートを見てみましょう。

「ずいぶんと張り切った内装だな。でも、これが慣れ親しんだ雰囲気とも言えるね。しっくりと体に馴染むよ」

ここは世界のどこかにある都市。これまで世界中を飛び回って仕事に明け暮れていた男性が、セカンドライフをスタートさせようと購入したコンドミニアムの一室です。長く続けてきた仕事をセミリタイアし、ここに住まいを構えようと部屋づくりに勤しんでいます。ホテル暮らしが長いため、一般的な寝室にはいささか満足できない男性。これまでに培った審美眼で選んだのがこの部屋であり、シーリーのベッドだったのです。

「まずはレイアウトを考えていこう。ベッドルームだからね、シーリーのベッドを中央に置くのは決定事項。アクセントウォールのような効果で、シーリーのベッドを引き立たせたいから、壁の両サイドに濃い木目の壁とスリット壁を設けて。中央の波打つような壁面クロスも、天井のダウンライトのおかげでシーリーのベッド周りに表情が加わっていいね」

木目やスリットなど壁に変化を付けて主役のシーリーのベッドを引き立たせます

ホテルライクなインテリアコーディネートの基本に、シンメトリー(対称)性があります。空間の主役に据えたいものをセンターに配置し、壁や窓などの内装、サイドテーブルやチェスト、照明などを左右対称になるようレイアウトすることで、中心にあるものを引き立たせるコーディネートのテクニックです。男性もこの寝室を住み慣れたホテルの一室のようにしたいと考えたようで、シーリーのベッドを中心に、造り付けのサイドテーブルやクラシカルなデザインのスタンドライトを左右対称にレイアウト。

「ライトがつくる光と影は奥行きを感じさせるのがいい。このシェードなら上下を同時に照らし出すから、サイドの壁の木目も浮き上がるし、ムードも高まるね」

空間の重心を下げてのびのびとくつろげる雰囲気にするため、天井の照明はシンプルなシーリングライトのみ。シーリーのベッドを挟む壁の縦のラインがより強調されるので、開放的で贅沢な空間に見せることができます。フロアは、ダークカラーのカーペットを全面に張って、豊かな質感をプラス。見る角度や毛の流れで濃淡が生まれ、クラス感を一層アップさせます。

シーリーのベッドを中心としたシンメトリーなレイアウトをベースにソファと円形ベンチでバランスをとる

「ここで問題だ。確かに贅沢な空間の使い方に見えるのだが、おもしろくないな。縦のラインを強調するシーリーのベッドサイドの壁や、シンメトリーなレイアウト、つまり『いい子すぎる』、整いすぎているんだよ」

シーリーのベッドを中心にした空間に男性が取り込んだのはパーソナルソファと円形ベンチ。直線的なシーリーのベッドに対比するよう曲線的なものを選びました。ここでは整いすぎたレイアウトを少し「ハズす」ことで、バランスをとるのが目的。カラーもアクセントになるよう、濃いめのブルーをチョイス。ベンチにはフリンジのついたブランケットを無造作に置いて、こなれ感を出しました。

また、整いすぎたカタい印象にやわらかな質感を加えるため、ベッドカバーやソファの張地などのファブリックにテクスチャの豊かな素材を合わせます。触り心地の良さそうな「目にもやわらかい」素材を取り入れたことで、重厚な空間にリラックス感が加わりました。シーリーのベッドの合わせる3つのピローをすべて異なる柄にしたのも、カラーや質感の違いで表情を加えるため。重々しくおもしろみのなかった寝室が、表情豊かに彩られました。

直線的なシーリーのベッドにやわらかな質感のファブリックを合わせてアクセントに

シーリーのベッドがある部屋に続く隣室への扉はガラス張りにして、奥行きを感じさせる見せ方に。寝室から覗く空間は、シーリーのベッドを中心としたコーディネートとはひと味違う雰囲気。ひと部屋ごとのテーマ性が明確になり、メリハリも生まれるので、男性のように毎日をとことん楽しみたいと考える人にぴったり。1人の時間を存分に楽しめそうです。

「今まで使ってきた名だたるホテル。寝室にあったのはどれもシーリーのベッドだったな。これまでは私が世界に出向いたけれど、この部屋から世界に広げる何かを始めてみたい。この部屋はそのための安息の間。うまく仕上がったね」

シンプルで直線的なデザインだからこそ際立つ質の良さ。男性の寝室が高級ホテルの一室のようにコーディネートできたのも、その中心にシーリーのベッドを選んだことが大きな要因でしょう。ベースはダークトーンとシンメトリーレイアウトで落ち着かせて、その後に遊びや「ハズし」を加えるテクニックと、数十年にわたり世界を見てきた男性が選んだシーリーのベッド。これから世界を見据える男性の目に狂いはないようです。