第1回: 色彩心理学の歴史 -カラフルな人生

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幸せをもたらす色彩心理学

第1回: 色彩心理学の歴史 -カラフルな人生

幸せをもたらす色彩心理学

「色彩心理学」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 意外と知られているようで知られていない言葉ですが、色彩心理学は人間が快適な生活を営む上で、決して欠かすことのできない大切な学問です。私たちは普段の生活の中で、特に意識することなくさまざまな色と接しています。

色彩心理学の歴史01私たちの周りにはいつでも色があふれていて、それが当たり前になっています。もし、私たちの住むこの世界が昔の白黒テレビの中の世界のようだったら、私たちの人生はきっと今と変わっていることは間違いないでしょう。味気なく、物事に感動する心さえも失ってしまうかもしれません。私たちは、大自然の中で目を見張るような色を見つけて感動するのです。皆さんも経験があると思いますが、真っ赤な夕焼けを見て、こんな美しいものがこの世界にあるだろうかと感動し、大海原を覆う微妙に変化する青を見て、地球の青さに感動するのです。その決して人間が作りだすことのできない色に癒されそしてまた新たに生きる力を与えられるのです。また、お気に入りの色の服を着るだけで、一日を爽やかな気持ちでスタートし、仕事にも勉強にも身が入ります。

好きな色は、心を力づけ、ハッピーな気持ちにしてくれます。さらに、一日の仕事を終えて帰宅した時に、お気に入りのインテリアや空間が自分を待っていてくれているというのは、何とも心が癒されるものです。

自分だけのリラックスできる場所があるということ、家族が楽しくいつでも前向きに過ごすことができる場所があるということは大切なことです。好きな色に囲まれ、規則正しく日々を刻み、ストレスをためない生き方は現代の忙しい人々に最も必要な知恵の一つではないでしょうか。今日は、私たちの生活に影響を及ぼす、色を扱った学問、色彩心理学の歴史について紹介します。

色彩心理学の歴史02色彩心理学は、学問としては10年経っていない、新しい学問ですが、色の重要性については東洋西洋問わず昔から認識されていました。ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ(1749-1832)はドイツの有名な詩人、小説家、政治家などと多くの肩書をもつ有名な人物です。小説「若きウエルテルの悩み」などは読んだことはなくても耳にしたことがあるでしょう。ゲーテは晩年、光学と色彩の研究に力を注ぎ、1810年に「色彩論」という本を発表しました。この本の完成には20年の歳月がかったと言われ、彼はこの研究が自分の人生の中で最も偉大なものであったと述べています。彼の研究はその当時全く顧みられることはありませんでしたが、今となっては彼の研究がどれほど大切なものであったのかがよくわかります。

その後、1947年に世界的に有名なスイスの精神療法医マックス・リュッシャー人々の色に関する様々な反応を分析してリュッシャーのカラーテストを作りました。ゲーテの色彩論を一段階掘り下げたもので、このテストは多くのセラピスト、心理士、専門医などによって現在も利用されています。東洋では、空海が色に関する東洋的理論を提唱しました。その後、ユング、フロイト、アドラーなど深層心理学を極めた学者たちも色が人に与える影響の深さを研究しました。この段階ではまた色彩心理学は確立されていませんでしたが、2003年に高橋佳子が世界初の「色彩心理学博士号」を取得し、学問として確立されました。色彩心理学を確立したのが、日本人であるということは私たちにとって誇りです。

色彩心理学の歴史03色彩心理学は、光のもたらす色彩の本質を研究し、心理学のみならず、色彩学、哲学、文化人類学、宗教にまで広い範囲にわたって人間と色との関わりを掘り下げるものです。人の精神状態や感情は色と深い関係があります。例えば、赤やオレンジなどの暖色系の部屋にいる場合と水色や青色などの寒色系の部屋にいる場合では、実際の部屋の温度が同じでも、体感温度は3度違うと言われています。3度というのは非常に大きな違いです。このように、「色」は私たちの生活と切っても切り離せない関係にあるのです。

このコラムでは今後、生活の中で「色」をどのように使い、どのように生かし、カラフルな魅力ある人生を歩むかということについて連載をしていく予定です。楽しい色にあふれた、素敵な人生をあなたも歩んでみませんか?インテリアや環境を変えることで、案外簡単に新しいスタートを切ることができますよ。