第3話: 途方もない工程から生まれる唯一無二の匠チェア

  • URLをコピーしました!

カヴァースメディア部

時間を掛けて木を曲げても、それだけでチェアが出来上がるわけではない。チェアとして生を受けるまでには数多くの工程があり、そこには職人達の技術と想いが込められている。家具選びというのは、デザインや価格だけを基準にするものではない。その1脚、1台に託された職人の想いを理解してこそ、家具選びと言えるのではないだろうか。秋田木工の家具は、家具に職人の魂が宿る、という意味を教えてくれる。

チェアができるまでの工程

チェアができるまでに、一体どれだけの工程を踏んでいるのでだろうか。秋田木工では1脚のチェアを作るまでに、下記のような工程を経ている。

  1. 木材を美しく曲げるために半年間から1年間自然乾燥させる
  2. 木材を切りながら、どの部分がどのくらい曲げられそうか見極める
  3. デザインや設計通りに曲木を作るため木箱と鉄型を作る
  4. 部品の大きさに合わせて100℃の蒸気で10分~2時間蒸した後、鉄型に沿って5分以内に一気に木を曲げる
  5. 曲木を鉄型にはめたまま、約80℃の熱風を当てて、約半日(12~14時間)乾燥させる
  6. 乾燥した木を穴を開けたり削ったりする
  7. 角ばっている木にヤスリがけをしてきれいに磨く
  8. 部品を組み立てて商品にする
  9. 塗装、着色、手磨きを2~3回繰り返す
  10. 座面や背もたれなどの布を張り、最終検品を行う

これだけの工程を経て、1脚のチェアが出来上がっているのだ。しかも各工程においては、熟練した職人の技術が必要。高い技術力を要する途方もない工程を踏んでチェアが出来上がっていることが、お分かりいただけるだろう。秋田木工の技術の職人の想いには本当に驚くと同時に、一度は秋田木工の家具に手を触れてみてほしいと願わずにはいられない。きっと家具に対する考え方が一変するはずだ。

工程の一部を覗いてみよう

百聞は一見にしかず。工程の一部をぜひご覧いただきたい。木を曲げる工程はすでに見てきたので、ここではその後の工程を紹介する。まずこちらの動画は、曲木を乾燥させた後に丸くカンナがけをしているところだ。南京カンナという特殊なカンナを使っており、カンナ掛けをして丸くしていくため、熟練した職人しかできない作業なのだ。

そして、こちらは角ばっている木をヤスリがけをしてきれいに磨いているところだ。ヤスリ掛けをした後に手で確認しているが、これは左右対称に均一の太さになっているかを確認しているのだ。まさに熟練職人のなせる技である。

こちらはそれぞれの曲木を組み合わせて、チェアを組み立てているところだ。1本1本の曲木を職人の手で丁寧に丁寧に組み立てていく。曲木加工された木は、1本1本状態が異なり、力加減によっては折れてしまうこともある。慎重さが必要不可欠な工程だ。

こちらは組み立ての際に、座面に籐のささくれが出ていないか、1本1本をチェックしてところだ。もしささくれが出ていたら、それは丁寧に抜き取る。この途方も無い作業も、お客様のために常に最高の座り心地を求めて行っているのだ。

秋田木工職人

最後に紹介するのが、塗装と磨きの作業だ。そのチェアが最も美しく見えるようになるまで、何度も塗装と磨きを繰り返す。塗装途中で何回も磨きを繰り返すことで、思わず触れたくなる美しい1脚に仕上がっていく。

ここで紹介した工程は、全工程のほんの一部にすぎない。1脚のチェアが出来上がるまでには、途方も無い作業工程が必要だ。その一つ一つの工程は決して手を抜くことが許されず、熟練した職人技が求められるのだ。やはり、秋田木工は只者ではない。

この記事のタグ

  • URLをコピーしました!