第4回: お洒落ベランダ、バルコニーライフ

  第4回: お洒落ベランダ、バルコニーライフ
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インテリアアイテムのワンポイント活用

第4回: お洒落ベランダ、バルコニーライフ

インテリアアイテムのワンポイント活用

新生活を始めようと思っている。結婚5年目でもまだ子供にも恵まれず、若夫婦と呼ばれるのには若干無理な歳となってきた。妻は専業主婦だ、ガーデニングに凝っていて、何かひとつのことをやり始めたら止まらないところがある。僕たちは青春生活の住処を変えて行きながら、売れないイラストレーターの僕の財力では一戸建てのマイホームや分譲マンションなどにたどり着けないことに妻に悪いと思っている。

最近、引っ越しを余儀なくされた。僕としては、部屋を探している、日中の空いた時間は家で睡眠を摂っているより外出するようにしている。部屋探しの情報誌は妻も良く買ってくる。そういうのって、案外、業者にとって都合のいい情報ばかりだと最近知人から教わった。

お洒落ベランダ、バルコニーライフ01僕は思っている、次の妻の誕生日までに、ガーデニングの好きな妻のために、都会で唯一狭いながらの庭のあるアパートをいままで賃貸していたが、次の新居として大きなバルコニーかベランダのある物件をガーデニングに大切な妻のためのスペースをアレンジしようって。不動産の店頭を探して歩いても、アパートとかマンションって貸主側の解釈でどうとでも表記できるものだし…一般にアパートとかよりマンションのほうが一万近く家賃は高くなるものの、物件の築年数が浅ければそういった条件はそのまま反映される、しかし一般的に、三階以上の建物で鉄筋系であるものをマンションと言う。バルコニーとは一階の屋根に当たる部分に張り出したりした屋根のない空間。ベランダとは、もっとしっかりした屋根つきのもので妻の趣味のガーデニングに向いた環境にアレンジすることができるものだと知って、僕はそれら関連の情報を集めていろいろと雑貨センターをまわっている。

イラストレーターとして昼夜逆転の生活をしている…自営業と言っても妻とは生活リズムのすれ違い…昼を大分まわって目が覚める、最近午後からパートに出始めた妻。午後は、同業者の友人の家に遊びに行ったりショッピングなどやサークルで外に出る。夕食から夜半までは妻との時間。深夜から朝まで仕事。朝方から眠る。

お洒落ベランダ、バルコニーライフ02大規模雑貨センターで、ベランダウッドデッキのことを調べてもらって、そこにガーデニングに向いたアイテムなども教えてもらう。ベランダパースシェード、太陽光を効率よくカツトして照り返しを防ぎ、同じようなmasa遮熱サンシェードも購入する…繊維にナノ単位で金属膜を持つもので、遮熱効果を発揮する、これらはエアコンなどの節電効果もありいろいろと便利である。

実は、次の新居は決まったのだ、少し郊外になるが、4畳の大きなベランダがあり、それもガーデニングに向いた東南に向いた、4階建ての賃貸マンションである。これまでリビングと寝室は同じ洋室だったが、僕の仕事部屋以外にも、寝室、リビング、もうひとつ妻のプライベートルームもできるのだ。なにより広いベランダに興味が行った。

引っ越しは妻の誕生日の二日後となった…遅い誕生日を祝おうとしている。今回の物件は少々頑張った。リビングは12畳のLDKに3畳程度のテラスがある、妻はそれがお気に入りで、僕は妻の誕生に合わせてベランダウッドデッキをプレゼントしてガーデニング趣味に応援したら、妻はテラスに向いたテラステーブルチェアの三点セットを買って注文していてくれた。

新居を構えて二週間後に妻は食欲がないと言って、ちょっと体調不良を訴える。検診を受けたほうがいいというと、妻は産婦人科を明日予約しているというし、そういう意味だと笑う、多分そうじゃないかと、間違いないだろうと言っていた。次の日、大変なことだと分かる、家族はやはり来年、同時に二人増える。

妻はパートの仕事を楽なものに変え胎教の本をわんさと買ってきた。僕は、少し仕事の領域を増やすため、フリーのイラストの仕事以外にも、事務所通いでイラストの仕事を請け負う契約を交わす。引っ越ししたばかりの大切な書類を整理していると、昔の書類が出てきた。

5年前、妻と籍を入れた日、妻の唯一の家族の彼女の妹は僕にいろいろと話を聞かせてくれた。妻は幼少時、発達障害と重度の知的障害があり将来結婚はおろか普通に働くこともできないと言われ、そのため亡くなった妻の両親は妻の将来を心配しながら彼女を大切に育ててきたこと、そんなことを僕に話して聞かせてくれた妻をいつも支え続けていた彼女の妹は、僕たちの結婚一年後に急性骨髄性白血病で他界した。

妻の、彼女の本棚からは、ガーデニング関連の本ばかりではなく、育児関連の本が最近増え始めた。僕は嬉しい反面、そのことに少し寂しさも感じれるのだが。