第0話: プロローグ - カザマの「信念」
カザマが商品に込めたストーリー
籐家具一筋100年「カザマ」の正体
第0話: プロローグ - カザマの「信念」 ← 今回の記事
第1話: 日本における籐家具の“先駆者”老舗メーカー『カザマ』が語る籐家具の真実
第2話: 見惚れずにはいられない 籐と本気で向き合うカザマの籐家具作り
第3話: その想いに目頭が熱くなる 籐と本気で向き合ってきたカザマの100年
プロローグ - カザマの「信念」
初めてカザマの籐(とう)家具を見て、話を聞いたときは、本当に驚いた。その家具に対する信念、執着に対してだ。籐というのは、採れる国はもちろん、採れる地方でも硬さなどの性質が大きく異なる。カザマは、デザイン段階から地方ごとの籐の性質を全て考慮し、10年、20年使用した後の形を考慮してデザインする。そして徹底的に美しさを求めて、ミリ単位で設計をしている。カザマのデザイナーは、建築やデザイン分野に対する深い造詣はもちろんのこと、籐の隅から隅までを知り尽くしており、その上でデザイン・設計をしている。その設計書は全て手書きであり、その絵面はまさにアートだ。
そして生産工程は、全て職人の手で行われているのだが、そこにも一切の妥協がない。納得が行くまで修正を重ねており、デザイナーの信念や執着を注入する。「この箇所をもう1mm曲げてくれ」といった会話が普通に繰り広げられている。その全ては、お客様が10年後も20年後も笑顔で家具を使っている姿を想像してのこと。
カヴァースはカザマの籐家具をお取り扱いしているのだが、デザイナーや職人、家具そのものには相応の敬意の念を持っている。それは彼らのお客様や商品に対する“信念”を正確に届ける義務があるからだ。もし読んでいただいているお客様にカザマの信念が少しでも伝わっているのなら、とてもうれしく思う。