第2回: 「緑」を取り入れた新婚家庭へのアドバイス

  第2回: 「緑」を取り入れた新婚家庭へのアドバイス
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カラーアングルセラピー日記

第2回: 「緑」を取り入れた新婚家庭へのアドバイス

カラーアングルセラピー日記

緑を取り入れた新婚家庭へのアドバイス01私は、とある女流作家の短編に気を取られていた。最近、はまっている感じだ。

私は風水のカラーセラピストとしての実績同様に、心理カウンセラーとしてのノウハウにも敏感に反応してしまう部分があるのだが、私は、最近マスコミで人気を集めつつも、過激で、攻撃的な描写で、注目を集める女流作家、Gに、とてつもなく不安定な心理を読みとっていた。私なりの解釈では、愛と理解に渇望している人に思えた、それが故に、世の中に対して批判的な視点や、過激で暴力を肯定した描写に少し、その作家の心理状態に何か気になるものを覚えた。しかし、私とは関わりがないものと、感じたし、人気作家としての地位をデビュー当時集めておきながら、だんだん人気が落ちている彼女の状況が、一応ファンとして気にはなっていた。

とある新婚家庭のカラーインテリアのアレンジの仕事をもらった。紹介してくれて仲介に立ってくれたデザイン事務所の担当者は、少し顔をしかめて、ちょっと難しい件だよと言って、私に警戒して仕事にかかるよういった。さも、怖い人からの注文だと察した。

しかし、そのお客さんの自宅の高級マンションを訪れて、はっとした。まだ、あどけない顔をした、少女が、クライアントなのだ。17歳で、乳幼児の母。夫は海外勤務の青年実業家、どこをとっても不幸とは思えない。お金は捨てるほど持っているような様子だ。

「緑」を取り入れた新婚家庭へのアドバイス02そして、南東に面して沢山の窓のある最上階の高級ルームに入った時、私なりに風水のセラピストとして違和感を覚えた、空気が滞っているのだ。風通しも悪く、マンションの最上階にもかかわらず地下の部屋にでも行ったような感覚を覚えた。カーテンから臭い匂い、私は、とにかくカーテンを清潔にしておくことが第一で、風の通りに気をつけておくようとりあえずあわてて注意した。カーテンは髑髏を模したダークなグレーやブラックのものばかり、そこに違和感を覚えた。

少女は寂しそうな顔で、多少、攻撃的で強い言葉を私に発する。でも、私は30代の男性としての大人の立場で、特に心理カウンセラーといった態度は出さなかったが、そういった配慮で彼女と話をした。彼女は、明らかに心理カウンセリングを必要としている。それがわかったのは、私の対応にすがるように話しを止めなかったからだ。何か、寂しさで、すがるような眼で、私に助けを求めている。生後9か月の男の子の世話もろくにできないというより、彼女自身に世話がいるといった感覚だった。

時計が沢山置いてある書斎兼サイドリビングには置き時計のコレクションだらけでキャビネットは埋まっていた。彼女は、何かパソコンで執筆をしている仕事でもしているのだろう。私は、直感で、それが作家Gであるのではないか、そんな気配を覚えたし、何となく的中している様子だ、しかし、私は、あえてそのことを話題にしなかったし、彼女のふといった、執筆の仕事を辞めようと思うといった言葉に、何とかしなければと感じた。

「緑」を取り入れた新婚家庭へのアドバイス03私は心理カウンセリング、風水セラピストとしての両面で彼女をサポートしていくことを心に決めた。私の気持ちが通じたのか、初対面で、私に手料理を食べて行ってくれと言ってくれた。彼女は乳幼児と二人っきりで閉じ込められた高級マンションというより牢獄のような場所で人と接することすらままならぬまま、寂しがっているのがよくわかった。彼女は視力が悪くなっており、それで執筆の仕事を続けるのが辛いといった。都会といった、自然、そして、対人関係のあまりない彼女の環境、寂しさゆえに、尖って攻撃的に他人に向かい、それゆえに友だちも出来ない。まるで、私の過去を見ているようだ。

私は、グリーンに着眼して、彼女に、都会のような環境に自然の要素を盛り込む第一歩として観葉植物を部屋の各所に置くように提案した。そして、パステルカラーに近い明るいグリーンのカーテンに、南東向きの全ての部屋の黒やグレーっぽいカーテンから変えてみてはと提案した。グリーンといった色は、視力が弱っている人には、室内で、視力の養生していくのには一番適した色なのだ。時計など動いたりするものが多くある部屋、そしてクリエイティブな作業をしている人に、明るいグリーン、しかも、それが南東には適切な色合いだった。風水で、それらがプラスに働くと、悪化している人間関係なとが改善される効果がある。

何度目かに彼女のマンションを訪れた時、彼女は驚くほど明るくなっていた。プランナーさん、若いころはモテたの?今もかっこいいけど、と柔らかい口調で話しをしてきて、今日主人が帰ってくるのとはしゃいでいた。そして、生後9か月の男の子と対面した。 この子には、恋多き人生を歩んでもらいたいの、と話す彼女に、この子供部屋のカーテンの色の組み合わせは、明るいグリーンと深緑にすると恋愛運がアップするよと言ったが、私は内心少々気が早すぎるなと思ってクスッと心の中で笑った。

「緑」を取り入れた新婚家庭へのアドバイス04彼女は、室内の全ての、カラーコーディネートをグリーンに統一してほしいと私に言ったが、全体をグリーン系で統一するのは、ある意味、風水ではあまり良い効果は生まれず、グリーンばかり取り入れすぎると、気力や、やる気、活力を衰退させてしまう逆の効果について説明して、彼女は素直に了承してくれた、男の子に元気で強い子になってほしいと話す彼女に、癒しと安らぎのグリーンと活力と元気の赤の組み合わせは、難しいのだが、赤7緑3といった、トマトの色彩のような比率のカラーコーディネートを時にはいいかもしれないから試してみてはとアドバイスをした。

夕刻近くになり、彼女の夫が、二カ月ぶりに帰国して帰ってきた、私たちは、食卓を囲み、楽しく話しをした、彼女の夫は、私より大分若いが、落ちついた印象で、話によると、彼女は父親も母親もない家庭で育ち、早くに祖父母も亡くしている。親戚を転々として肩身の狭い少女時代を過ごしたらしい…。早く結婚をしたのも家庭への憧れの強い心理があったのだろう。夫は来年から国内勤務になるようだ。

私は最後まで、彼女の作家としての部分に触れなかった、そのことは全然知らないフリをして通した。しばらくたって、私は注目作家、Gが直木賞に選ばれたことを知った。