第4回: 難しい 「黒」を取り入れた空間アドバイス

  第4回: 難しい 「黒」を取り入れた空間アドバイス
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カラーアングルセラピー日記

第4回: 難しい 「黒」を取り入れた空間アドバイス

カラーアングルセラピー日記

インテリアプランナーと心理カウンセラーとしての両方の資格とキャリアを持つ私、しかし、今回は難儀した仕事となるのだが、あえて難しい決断を余儀なくされたお宅のインテリアカラーコーディネートをここで書いておきたい。

黒を取り入れた空間アドバイス数年前、まだ私がこの業界で確たるキャリアや実績を積んでいなかった頃、あえて難しい色、黒を安易に提案してしまったお宅のことは覚えていた。ある程度若い年齢にて財と地位を築き、現状に満足したお客さまだった。私と同じ心理カウンセラー的な仕事で、他人の悩み事やもめごとなど相談を受ける仕事を主としていて、二十代で頂点を極めて、新婚早々の家庭を持っており、同じ年の奥さんは宝石や貴金属などを取り扱う仕事をしていた。夫婦共々人生経験のキャリアや仕事面でのキャリアも浅く、そのまま年収は莫大なものとなっているお宅だった。

厄介なもの、や側からの介入をある程度抑え、孤立感の尊重や、秘密厳守、ましてや自宅に貴金属宝石などの高価なものをストックしておくと言った目的で新居を購入され、そのカラーコーディネートを任された私は、あえて未熟ながらも苦渋の決断、黒をやたらと取り入れたインテリア提案をしたのを記憶していた。黒といった色の風水での取り扱い方は、現状が運気上昇気分にあるか、または現状維持を望ましく思われる方、孤高や孤立感を尊重し、必要以上に人とのかかわりを持ったり人に近寄せないことを望んでいたり、秘密厳守といった意味合いでは効果は期待できる、ただ乱用するとその人の持つ本来の運気を削り取ってしまったり、運気を低迷させてしまう使い方が非常に難しい色だった。その時のその新婚家庭の状況では黒は望ましいカラーコーディネートと思われた。

黒を取り入れた空間アドバイス02その家庭を数年ぶりに訪問してみた。奥さんも、主人も、病気がちで、人間関係もぎくしゃくして、年収こそは現状維持で高額所得だが心理的やあらゆる意味で、夫婦とも、幸福とは言い難く、子宝にも恵まれず、夫婦仲も冷え切っている様子だった。

リビングは黒い壁紙にグレーのカーテン赤い革のソファ、黒くビニールクロスをかけた丸いテーブルなど、北の方位にマッチした色だと黒を多く取り入れたモノトーンの寝室など、今になって想えば、よくもこんな最悪の組み合わせをよく提案できたものだと今になって想えば過去の反省材料として心に重くのしかかってくる気分のやるせなさに、私はあえて、その中年にさしかかった夫婦の家庭に無料を条件に、再度カラーコーディネートをさせてもらうことを約束した。

黒を取り入れた空間アドバイス03あらゆる意味で、エネルギー的に癒しとなる意味合い、エネルギーが育ち、それを引き締める意味合いの黒の風水的摂り入れ方から、本来のエネルギーの養い方に基づいた、白を基調とした壁紙に、全体の色合いを統一することとした。そして黄色や、ピンクなどの対比して凄く明るめの色をワンポイントとして取り入れて、黒を押さえた全体から、ワンポイントとして黒を一部分として取り入れて、カーテンなどや小物などに健康運上昇としての意味合いからグリーンを。寝室などには、全体的に白を基調として黒とピンクや赤などを一部分に取り入れて、結婚してすでに倦怠期にある夫婦に清々しい新婚前後の恋愛的な意味合いの活性化、その他の人間関係の改善などを期待した。

私としては、駆け出しの頃の未熟さゆえの汚点として、黒をインテリアに使うのは、風水の面、心理的な面で孤立感と、拒絶を意味するもので、あえてそこに高貴さと気高さが醸し出されるものの使い方は非常に難しく、黒の取り入れ方の基調は全体的ではなく、ワンポイントとして取り入れて行くのが理想であることは、その後の仕事から培ったノウハウでわかってきたことだった。

B邸の御主人は私とは心理カウンセラーとしては若いころ同期の間柄で、私とは一時期とても親しい間柄にあり、奥さんとも親しかったため、そのお宅のカラーコーディネートを担当した時どこか羽目を外し、その後夫婦同様、若さゆえの慢心か、どこか勢いと自信だけを武器としてこころを置き忘れていた部分を想い出していた。

黒を取り入れた空間アドバイス04新しくなった部屋で、昔ながらの間柄でB邸の御夫婦と私は食事の席で盛り上がった。青春時代といったものの懐かしさ、感慨深さ、それゆえに、このお客様に無償で再提案したことは私なりの気持ちの処世術だった。B邸の主人は私の他人を拒絶してDQN的な生活から攻撃的に側と接して、他人とか周りを威圧していた孤独な時期をよく知っていた。そこから心理カウンセラーとしての道を選んだいきさつ、とても遠い昔のような気がする。私は遅くまで語り明かしていてこの御夫婦から逆に暖かい感覚をもらった気持ちでいっぱいになった。

スマートフォンが鳴る、何だかギクっとした。例の以前仕事をさせてもらったファッションデザイナーの女性からだ、あれ以来付きまとわれて困っていた。しかも、沢山買い物をしたから車で迎えにこいと、一方的な連絡だ。正直苦手だった。しかも自分をとびきりの美女だから何をしても許されると思い、常識を逸脱した態度にはいささか参っていた。しぶしぶ対応している私も余程気が長くなったものだ。私はしぶしぶ苦手な女友達の呼び出しに、深夜のディスカウントストアに車を向かわせるべくB邸を後にした。